2013年1月15日火曜日

なぜなぜ分析



















製品の品質に問題が起きた場合、メーカーはそれを発生原因及び流出原因の2つに分け、それぞれの原因をつきとめ是正処置、つまり恒久対策を行う。
この原因を明確にする際、「なぜなぜ分析」という手法を用いるのが一般的だ。
これは、「なぜ」その事象に至ったのかという問いかけを5回繰り返す手法だ。
一回目のなぜの答えは直接原因、2~5回目までは間接原因、こうして原因を掘り下げ、それぞれの是正により再発防止につなげるという、日常的に行われている手法だ。

これをなかなか実現できない自転車の車道走行に当てはめてみる。
ルールと知っていながら、なぜ守れないのか?つまり品質が確保できない原因を明確にし是正処置を行うとする。

さて、車道走行が難しいといわれる大きな原因が「自転車の車道走行は怖い!」である。
ここから始める。

「車道は怖い!」

1.なぜ車道は怖いのか?
-クルマが速いスピードで至近距離を走るから。(安全なクリアランスと速度で通過しないから)

2.なぜクルマが自転車の横を安全なクリアランスと速度で通過しないのか?
-安全意識が低いから。ルールを知らないから。

3.なぜクルマのドライバーの安全意識が低いのか?
-適切な教育を受けていないから。適切な教育を受ける機会が少ないから。

4.なぜ適切な教育を受けていないのか、受ける機会が少ないのか?
-適切なカリキュラムが構築されていないから。

5.なぜ適切なカリキュラムが構築されていないのか?
-教育を実施すべき団体、機関が正しい知見に立っていない、あるいは安全について正しく認識していないから。

この結果から自転車の車道走行が怖い!の原因が自転車にはないことがわかる。

直接原因はクルマのルール無視。
間接原因は安全についての間違った認識。
となる。つまりこの2つを是正する必要がある。
極めてシンプルだ。
企業ならこの部分の是正を行う。

つまり直接原因の是正はクルマのドライバーに正しいルールを説き、
間接原因の是正は行政に正しい安全知識を説く。
これら両方を行う。

ところが現状行われている内容は
①    直接原因の是正として自転車に乗る人に正しいルールを説き、
②    間接原因の是正には行政に正しい知識を説いている。
ではないだろうか。
つまり②は正解だが、①を説く対象を自転車に乗る人からクルマのドライバーにスイッチする必要があると考える。

いかがだろうか?