2012年2月29日水曜日

自動車ドライバーのための自転車講座-3






















「ウインカー」

信号待ちの車列。
信号が青になると直進すると思っていたクルマが一斉に左折のウインカーを出す。
どうして?
あらかじめ左折するとわかっていればこのポジションにはいないのに!

自転車で車道を走る人たちは常にクルマとの接触事故を意識しながら走っている。
そして少しでもそのリスクを回避しようとする。
道路上のクルマとのポジションを変えたり、
着ている服の色を変えたり、
ライトを変えたり、
ルートを変えたり。
本人がクルマを運転する時よりはるかに多くのことを考え、実践している。

その中で事故に直結する大きな要因が自転車のポジションニングだ。
クルマとどういう位置関係にいるのが安全か?
を常に考えてポジションを決める。

特に交差点ではこの対応がマストだ。
そのときの重要な情報の一つが、交差点でクルマがどちらに動くか?
その情報をもとにリスクの小さいポジションを確保する。

ところが、信号が青になり動き出すまでウインカーを出さないクルマが非常に多い。
情報さえくれれば、たぶん自転車はクルマの進路を防ぐような動きをしないだろう。
自転車に乗る人がその情報を得て具体的にどういう動きをするかはここでは置いておく。

ただ自転車に乗る人のリスクが減るということ、はクルマに乗る人のリスクも減るということ。
まわりのクルマ、自転車とのコミュニケーションをとる。情報を共有する。
その最低限かつ重要な行為の一つがウインカーだ。

自転車だって右左折の合図しないじゃないか?
指摘は確かにその通りだ。
その背景にはその道交法による合図を実践することが、自転車の運転をする上で、極めて不安定でリスキーであるからだ。
ただ可能な範囲で合図を出す、意思表示をしている自転車がいることも事実。
そしてなによりは交通弱者であり、優先権のある車道上の自転車が、
クルマの動きを読んだ走りを実践しようとしているのだ。
クルマにとってはウェルカムであろう。

自転車は赤信号で止まるときにも自らのポジションを考えている。
それを理解した上で、適切なウインカーを実践する。
この当たり前のことで事故のリスクは大きく減るだろう。

2012年2月28日火曜日

自動車ドライバーのための自転車講座-2




















「風」2

走っている自転車が風に翻弄されることは前回述べた。
では止まっている自転車はどうか。
じっとしているから大丈夫!ではない。

クルマが止まっている自転車の横を通過するとき、まず自転車にはクルマから外へ放り出される方向に力がかかる。これは自転車が走っていても同じことだけれど。
つまり自転車が車道から歩道側へ押し出される方向への力だ。
自転車に乗っている人は外側へ倒れないよう左足で踏ん張る。
しかし次の瞬間、クルマが通過したとたんに、今度は車道側に引っ張られる力がかかる。
これは先ほどの力より手ごわい。


右側の足を地面について踏ん張ればよいのだが、
多くの自転車は止まっているとき左足を地面についている。
だから右側に引っ張る力がかかったとき、即座に右足をつけないことがある。
ましてビンディングシューズで右足をペダルに固定していたら
そのまま立ちごけ、つまり車道側にバタンと自転車、人もろとも倒れてしまうのだ。

クルマが大きいほど、速度が高いほど、距離が近いほど、その力は大きくなる。
脚力の小さい小学生低学年以下の子供たちやビンディングシューズでペダルに足を固定しているローディーには特に注意が必要だ。

このような止まっている自転車が車道側へ転倒するという最悪の状況についても対応できる走り方をする。
つまり最低でも2m~3m程度はクリアランスをとり、速度を落として追い越す。
自転車ギリギリに速度を落とさず走りぬけることは、まったく想像力の働かないドライバーの危険な対応だ。

自分のクルマが常に自転車にとって無視できない風を作っていることを知ってほしい。






2012年2月27日月曜日

自動車ドライバーのための自転車講座-1



自転車の車道通行は認識しているけど、どう対応してよいのかよくわからない。
そんな自動車のドライバーは多いのではないだろうか。
気持ちはあるけどアクションを起こせなかったり、結果として間違った対応をしてしまったり。
自転車に乗らないので自転車の特性が理解できない。
もちろんその逆もあるのだけど。
ここではそんな前向きなドライバーの方に少しでも参考にしていただければと思う。
「自動車ドライバーのための自転車講座」1(不定期)

「風」

クルマに乗る前、日常から風向、風速ををチェックして乗る人ほとんどいないと思う。
強風注意報、警報が発令されると、さすがにその内容をチェックするかもしれないけど。

自転車に乗る人、特に移動距離が長いと、この風向、風速のチェックは欠かせない。
なぜなら自転車って風に乗って走る移動手段だから。

それほど風の影響が大きい。
フラットな車道を無風時に時速30km/hで走る自転車。
同じ自転車が
迎い風3m/h程度で時速25km/hに、
追い風3m/h程度で時速35km/hになったりする。
なぜなら自転車の走行抵抗の9割が空気抵抗で、
そんな中を非力な人間の力だけを推進力とする乗り物だから。
自転車の速度というのは対地速度ではなく対気速度であると言っていい。
つまり風向風速で目的地に到着する時間が変わってくるのだ。

そんな風は迎い風、追い風だけではない。横からも吹く。
交差点や路地にさしかかると、そこには横風が吹いていることが多い。
このとき風向きによっては自転車は車道側へ大きく流される。
1m、2mなんて簡単に流されると考えた方がよいと思う。

このことを知るとクルマが自転車を追い越す時に注意する項目が一つ増えるはずだ。
クルマの中からは見えない、感じない程度の「風」。
しかしその風は日常的に吹いていて、自転車は速度にかかわらずその風に翻弄される。
つまり風に乗って走っているのだ。
だとすると自転車の横ギリギリ近づいて追い越すことなんてできないはずだ。
自転車が風に流されても大丈夫なクリアランスを空けて追い越す。

クルマの中からは見えない、感じない風の存在を想像して自転車を見てほしい。



2012年2月26日日曜日

ホント?の自転車の価格



一昨日、自宅に自転車チェーン店のチラシが入っていた。
このお店、ロードバイクをを中心にクロスバイク、MTB、小径車、キッズバイクを扱う専門店である。
チラシに掲載されている自転車は当然のようにクロスバイク十〇万円からロードバイク〇十万円、小径車も十〇万円。自分の乗っているブランドも掲載されていた。
これまで量販車のお店のチラシは入ったことがあったが専門店のお店のチラシは初めてである。

このようなチラシが入ったお宅の、スポーツバイクに乗るお父さんたちは冷や汗ものじゃないだろうか。
ご夫婦でスポーツバイクに乗られている人はともかく、家族でご主人だけが乗られているみなさん、
奥方に本当の自転車の価格を伝えている方は少ないのではないだろうか。
私もその一人。

購入したロードバイクが〇十万円なんて絶対云えない。
だから報告している価格のケタが違う!

会社から帰ると家内から「こんなの入っていた!」って広告を手渡された瞬間、
家の中の空気が重苦しくなった。

その後どうなったかは誰にも言えない。

2012年2月25日土曜日

バゲットはどこへ入れる?




























バゲットが好きで、週末はいつも会社帰りに買っていく。
でも自転車で買いに行く度に、持ち帰りに困ってしまう。

結局バックパックの中に立てて入れ、半分は中に半分は外に出したまま不安定な状態で走る。
家に着いた時にはバックパックのファスナーが大きく開いて中のものが落ちそうになっている。

買う度に収納に困ってしまうバゲット。
でもつい最近、いい収納方法を思い付いた!
これがあれば幸せになれる。
考えているアイデア、どなたか商品化していただけませんか?


2012年2月24日金曜日

ニュータイヤが届いた!




















Wiggleで注文したタイヤが届いた。
以前注文したときは届くまでに2週間以上かかった記憶があるが
今回は約1週間程度で届いた。

銘柄は20Cのコンチネンタルスーパーソニック。
ヒルクライムの勝負用タイヤの定番だ。
これを通勤用として使い始めて4本目。

通勤に勝負用?との疑問もあるだろうがとにかく軽い。
重量も軽いが、20Cにより走行抵抗も相当小さい。
つまり漕ぎが軽い。

路面状況がわからない場所で使うのにはリスクがあるが
毎日通っている通勤経路の路面状況は知り尽くしているはずだ。

その路面状況を考慮した上での選択。
先日、クルマの巻き込まれ回避で後輪をロックさせ表面を剥いてしまったが、
そのようなリスクを認められるなら、選択して問題ないと思う。

もちろん雨の日は乗らない。グレーチングには細心の注意を払う。
条件つきだが、クリアできるならこの軽さは魅力だ。

2012年2月23日木曜日

自転車通勤と疲労感



















毎日片道22kmの距離を自転車で通っていると、
3日目頃から疲れがたまってくる。
もう少しフラットなら良いのだが、常に上りか下りだ。
心拍が180近くなる個所が片道で6カ所。
年齢のせいか、4日目は相当きつい。
とはいえ大抵週に1、2日は雨天となり、自転車通勤ストップ。
この間にいくらか足の疲れが取れ、適度な疲労感で自転車通勤を続けられる。

でも西高東低の安定した冬型の天候はその休養を与えてくれない。
結果、自分で疲労をコントロールする。

そのひとつの方法が1日1往復ではなく、2日1往復だ。
通常なら朝会社まで走り、夜家まで走る。
つまり約12時間のインターバルで自転車に乗る。
この繰り返しで疲労がたまる。

でも2日で1往復、これは朝自転車で出勤するとその日は電車で帰宅、
翌日朝も電車で出勤し夜自転車で帰宅する、約36時間のインターバルだ。
ほとんど疲労感はない。

本当は24時間のインターバル、つまり帰りは行きは自転車、帰りは電車を
繰り返せればよいのだが、これでは自転車が何台あっても足りない。

で、上記の36時間インターバルだ。

負荷の高い運動を行うと筋肉が破壊される。
それがもとに戻る、ではなく、以前より強い筋肉となる「超回復」には24時間必要とされている。
要するに毎日筋肉を破壊し続けるより24時間空けてトレーニングした方が効率が良いとのこと。

実践してみると確かにその感覚はあたっている。
よし、この方法だ!
って頭で考えながら、
一方で、疲れるなんて言い訳して、電気を喰う通勤手段なんか使うんじゃない!原発が動ゾッ!って天使(悪魔?)がささやく・・・。

2012年2月22日水曜日

魔法使いの少年





















公共広告機構のCMを見たことがある方多いと思う。
押しボタン式信号機を渡った子供がクルマのドライバーに頭を下げると
ドライバーが笑顔になるシーンが映し出される。

クルマのドライバーが苛立つ気持ちは、道路を横断させてもらった子供の感謝の気持ちがあれば
ドライバーは笑顔になるという内容。

感謝の気持ちは大切。それはよく理解できる。

ただその題材が?である。
交通弱者を優先するための横断歩道。
人が渡ろうとしていたら信号がなくてもクルマは止まらなくてはならない。
これは道路交通法だ。
でもクルマは止まらない。
そこで押しボタン式信号ができる。
そもそもルールを守らせる前にこのような設備ができることがおかしい。
渡る人が多すぎてクルマが通行できないから押しボタン式になるケースもあるかもしれない。
でもこのシーンはどう見てもそうではなさそうだ。

目の前の道路の向こう側に行こうとするだけなのに。
遠回りをして、横断歩道がある場所まで歩いて、ボタンを押して、青になるのを待って。
やっと渡り、行きたかった場所へ戻る。
しかもルールを守ることにイラつくクルマのドライバーに頭を下げる。
こんなに遠回りをして、時間をかけて。
本当に苛立つのはどちらだろうか?

こんな内容が当たり前のように受け入れられる社会。
完璧なクルマ社会。
アクセル、ブレーキを踏む、そんな簡単で基本的な作業ですら億劫な大人がはびこる社会。子供に頭を下げさせて満足する大人がはびこる社会。
これがクルマ社会だ!

あの頭を下げた男子はその後どうするのだろう。
道路に沿って歩道を歩くのかもしれない。
けたたましい騒音と振動、臭い排気ガス、夏になるとたまらない熱源となって、人をクラクラさせる。
そんな歩道を歩いていく。
横断歩道で渡る人がいれば、人を優先させる。そんなルールすら守らないクルマのドライバーに感謝しながら!?

ありえない。
頭を下げるべきはどちらだろう?
なぜそこまでクルマを優先させるのだろう?

このCMの主旨はたぶんそんなところにはないのだろう。
ならば感謝の気持ちはもっと他の題材で伝えてほしい。
このCMを見た子供たち、いや大人たちは誤った価値観を再度植え付けられる。
高度成長期にはそれでも受け入れられたのかもしれない。
でもそんな時代はずっと前に終わっている。
必要なのは意識の方向転換だ。

最後に
このCMは「作品コンクール」最優秀賞を受賞した作品をもとに制作されたとのこと。
ネット上でも評価が高い。
「迷惑をかけたことにたいして素直に頭を下げる子供が素晴らしい!」
迷惑をかけているのはどちらだろうか。

評価している人はみんなクルマ優先党だから、何が重要なのか気づかないだろう。



2012年2月21日火曜日

いつまでクルマ優先社会でいるのか?





















出張で中国の瀋陽へ行く機会があった。
仕事だけではなく、中国の文化に興味深々で出かけた。

最低気温マイナス15℃と寒いのだが、
街中の様子は日本と大きく変わらない。
百貨店に地下街、スタバもケンタッキーも吉野家もフツーにある。

最初驚いたのはクルマ優先社会であること。
交差点の信号、クルマも歩行者も青になると一斉に動き出す。
そのときクルマは道路を渡る人ギリギリに走る。怖い!
まるで人に向かって突っ込んでいくかのようだ。
ほとんどクリアランスがない。
今のぶつかってない?って感じ。

信号のない横断歩道など、クルマが止まるのを待っていては渡れない。
止まってくれるクルマは皆無だ。
渡ろうとすると思いっきりクラクションを浴びる。

でもよく事故が起きないなと驚いたのは初日だけ。
翌日にはもう慣れた。
最初は怖くて簡単に慣れないなと思ったのに。

なぜ簡単に慣れてしまったのか?
よく考えてみると、日本の交通事情を基本的には同じなのだ。
クルマが最優先。
日本でも信号のない幹線道路の横断歩道。
渡ろうとしても止まるクルマはほぼ皆無だ。
気の利いたドライバーがクルマを停止しても
対向車線のクルマは止まらないから、結局渡れなかったりする。
これが当たり前になっている。

程度の差はあっても交通弱者優先ではない社会は日本と中国(瀋陽)では共通である。

ドイツでは交通弱者優先が徹底していたことを思い出す。
程度云々ではなく、明らかに優先順位が異なっていた。

なるほど日本の車道の自転車通行が危険!なわけだ。
ただクルマ優先という認識は同じでも道交法上では交通弱者優先である。
ルール上の優先順位は間違っていない。
我々がルール違反を犯しているのである。
自ら認識を変えなければならない。


2012年2月20日月曜日

月曜日の朝






















朝の厳しい冷え込みが続くこの頃。
そんな中で月曜日の朝は特に気が乗らない。
いや前日夜には準備万端、っしゃっー!て感じなんだけど
いざ朝になると、食事をしながら、天気予報を見ながら、歯を磨きながら、
自転車に乗れない理由を考えてる。
で、乗れない理由が見つからないと憂鬱なまま自転車を外に出す。
でもそこまでくればもう半分会社に着いたも同然。

さて確かに最近の朝の空気はピリリと冷たい。
でも晴れているから気持ちいい!

いつものようにいつものごとく
ペダルを回す。

その間もクルマたちは車道を走る自転車のことを十分理解しているかのよう。
十分なクリアランスをあけて静かに追い抜いてくれる。
信号が赤から青に替わるときもそう。
自転車がフラッと走りだして安定するまで後ろで待っていてくれる。
感謝!

こちらも邪魔にならないようできるだけ左寄りを走る。
通勤自転車の車道における地位も高まってきている。

ある交差点。赤信号。
爽やかだ。
風になびく草木の音。歩道上の園児とお母さんの楽しげな話声。
空気は冷たいけどキラキラ光る朝の陽の光。気持ちいい!

と思ったのも束の間。
パンパンパン!とけたたましい音でバイクが自転車の前に出て停車。
すべての音がパンパンパン!にかき消される。
ドドドド!という別の一台の音も加わる。

鼻先にマフラーを持ってこられ、その臭いにたまらず自転車をバイクの前に出直す。
それでも臭い!

信号が青に替わる前から、今度は苛立ったような空吹かしが始まる。
さらに臭くてクラクラする。

マフラーがバイクの後ろについているせいか、乗っている人はそんなことお構いなしだ。
考えてみればバイクのマフラーの位置って随分配慮に欠ける位置だ。
そろそろ後ろではなく前から出す時代にではないだろうか。
そうすれば運転する人も考慮するし、EVも視野に入るだろう。
自転車ならもっといい。
さもなければ、せめて止まっているときだけでもエンジンを止めてもらいたい。
じっとしているのに音も排気ガスもエネルギーも不要である。

こうやって車道上でものすごいキツイ臭いの排気ガスを毎日至近距離で吸っている。
これが習慣になっているのだが、健康上問題ないのだろうか?






2012年2月19日日曜日

自転車が見下される理由



























給油のため子供とクルマで出かけた。
自転車に乗る若いご夫婦(に見えた)が車道左端を走行していたので、
大きく間隔をあけ、アクセル開度を小さくして静かに追い越した。
その先の小さな交差点で赤信号、自転車が追い付いてくるはずと思い、
左側を十分に空けてクルマを停車。
まもなく2台の自転車はクルマに追いつきそのまま交差点へ。
当たり前のように赤信号を無視して直進した。
一台はロードバイク、もう一台はクロスバイク、
二人ともサイクルジャージにヘルメット。

子供が複雑な顔をして言った。
「ダメだよね。大人なのに!」

自分の前後のクルマも対向車線のクルマも、みんな見ていたと思う。

車道を走る軽車両という自覚がまったくないようにみえる。
問題なのはこういう行動をとる自転車が非常に多いこと。

こんなことで車道を走る自転車の権利など主張できるわけがない。
自転車に乗ることはすばらしいことなのに。
ルールを守らないということは路上における自分の地位を確立できないということである。

2012年2月17日金曜日

「自転車市民権宣言」で云いたかったこと4




























古倉宗治先生は、自転車交通のすべてを知りぬいている方である。
いつも迷宮入りする自転車の走行空間についての議論も、先生にとってはすでに結論は出ているのだ。
この方がおられなければ、この議論は今後どうなっていくのか考えたくない。それほど重要な方だ。

これまで自転車は車道を走ることが大前提であることは何度も書いてきた。
これから自転車レーンが各地で導入されていくのであろう。
混乱を招かないために、全国共通の思想で作られなければならない。
ただ自転車レーンが先にありきではない。
狭いから自転車レーンが作れない。
だから自転車は歩道、ではなく、自転車レーンが作れない場所でも自転車は車道なのだ。
レーンが一人歩きすると、東京都のように荷物の積み下ろしのための車両があるからレーン設置はダメ!
じゃあ自転車はどこを走るのか?歩道?なんていうようなおかしな話になりかねない。
積み下ろしの車両があろうが、そのためにレーンが作れなくとも、自転車は車道を走るのである。
その車道を走る自転車のスペースをクルマに認識してもらい、より高い安全性を確保するために作るレーンである。
そこがぶれてはいけない。

果たして自転車先進国に追いつくことができるだろうか?
それは容易なことではない。

ただ日本の国民性を考えると、クルマのドライバーと自転車に乗る人が、法律を正しく認識し、安全意識を共有できれば、必ずしも自転車レーンがない場所でも、お互いに安全な走行空間をシェアできると考える。
繰り返すが自転車レーンが不要と言っているのではない。レーンはあって欲しい。
ただ車道上に自転車レーンがなくとも路上をシェアして走行する。
どういう状況においても秩序をもってもきちんと並ぶ国民である。
自転車とクルマが道路をシェアすることが当たり前になったとき、
暗黙の規律ができあがり、安全な交通の流れが出来上がる。
それこそが日本が自転車先進国に一気に追いつき、さらにその上のモラルの領域まで達する方法だと思う。

レーンがなくとも事故を起こさず路上を上手にシェアするすばらしい国民!
海外からそんな評価を受ける。
日本の国民というのはそういう国民なのではないか。

まずはクルマ、自転車の位置づけとルールの正しい理解。そのための教育。
ここからであると思う。


2012年2月16日木曜日

「自転車市民権宣言」で云いたかったこと3














鈴木美緒さんから、グーグルマップを用いた海外の交差点での自転車レーンの実態の紹介があった。非常に新鮮な内容であった。
「自転車が身近すぎてイメージにとらわれ過ぎている」とのコメントも。
なるほどその通りだ。
「早く着ける車道か、ゆっくりでも安心して着ける車道か」
とうコメントも興味深い。
これはスポーツ自転車のような比較的高速で走る自転車は車道走行が最速だが、子供を載せたシティバイクに乗る人の立場からはそのまま追従することは難しく、ゆっくりでも安心して着ける車道が選択肢になるということ。
ようするにスポーツ自転車と同じ感覚では危険であるとの見解だ。

確かに現状はそうかもしれない。
だが前述したように、車道を自転車に配慮せずに走るクルマをなくせば状況は変わってくるはずだ。

ここでも自転車に乗る人はクルマに遠慮している。
クルマは自転車を避けられる!
ルールを守っていないだけだ。

自転車を超えもう少し広い視野に立つと課題は多い。
すべての自転車が車道を走行すると、クルマは走りづらい。
自転車を簡単に追い越せず、スピードが落ちる。
渋滞も起きるであろう。平均速度もさらに下がるであろう。物流も影響を受けるに違いない。
別にクルマが機能しなくていいと言っているわけではない。
クルマの機能が自転車の機能の犠牲の上に成り立っていることが問題なのだ。

新たな課題は生じるが、その解決法が自転車の歩道走行ではダメなのだ。
自転車にとって「早く着ける車道か、ゆっくりでも安心して着ける車道か」
ではなく常に「早くて安心して着ける車道」であるべきなのだ。

そこでたとえばクルマの業界で新たな課題を解決する。
自転車に安全なクリアランスを空けて走行するための新たな解決法だ。

日本の道路は狭いので自転車レーン設置は難しい?だから自転車は車道走行はダメ?
いやいや、
この20年、30年の間にどれほどクルマは大きくなってきたのか?
2人もしくは3人の人間が並んで座るために必要以上に大きくなってきた。
そのときクルマは作る側も買う側も、日本の狭い道路で自転車と共存することを考慮してきたか?
答えはノーであろう。

「車幅は狭いが早く着くクルマか、車幅は広くて快適だがゆっくり着くクルマか」
論点はたとえばこういうところにある。

室内はエアコン完備、一年中静かで広くて快適。走りながら食事もできる。テレビも観れる。
排気ガスと熱はすべて外に出す。騒音も振動も風圧もすべて外。
止まっていてもCO2を排出し続ける。
しかも自動車専用道のみならず一般道も交通弱者よりクルマが優先。
さらにそんな大きなリビングをたった一人で乗り路上を独占する。
時には自転車に乗る人を危険にさらしてでも駐車し、その中で寝たりもする。
(正確には停車らしいが)
その上自転車が車道を走るとクルマが通れないだろっ!て?
こんなエゴイスティックな移動手段あるだろうか。

考えるべきは自転車ではない。感覚の麻痺したクルマである。
自転車が見直されることで、クルマの課題が表面化しただけである。

もうひとつ付け加える。
これはクルマが未来にむけて大きく変わるチャンスでもある!



2012年2月15日水曜日

「自転車市民権宣言」で云いたかったこと2




















毎日新聞社の記者である馬場直子さんより、歩道上における自転車と歩行者の事故の過失の割合についてコメントがあった。
4地方裁判所間の話し合いの結果、その過失の割合を10:0とするというのだ。

私の経験では歩道上の自転車走行時の人との事故というのはほとんど避けれらないと言っていい環境だ。
その事故を避ける事前対策としての徐行。
事故の際のダメージを最少とする事後対策としての徐行。
いや本来は車道を走るべきであるが、ここでは仮に自歩道であるとする。
そして加害者として最低限おこなわなければならない補償のための保険。
加入はマストであると言える。
ここでは子供の自転車が加害になるケースも忘れてはいけない。

結果、それでも事故は起こるのだ。
あくまで起こした時のリスクを下げるための対策である。

歩行者の立場から考えるとこの判断は真っ当であると考える。
歩くための歩道。
乳児、幼児、高齢者、皆が安心して歩き、憩う場所であるべきである。
そのスペースを殺傷能力のある自転車が走ること自体が大きなリスク、というかそもそも誤りなのだ。

自転車にとってさらに多くの意味で車道の方が安全であるという認識になった。







2012年2月13日月曜日

「自転車市民権宣言」で云いたかったこと1


















2月13日、東京都港区の日本自転車会館にて「自転車市民宣言」大討論会が開催された。
パネリストは
片山右京氏(元F1ドライバー)
古倉宗治氏(住信基礎研究所研究理事)
鈴木美緒氏(東京工業大学大学院総合理工学研究所助教授)
馬場直子氏(毎日新聞社編集局社会部記者)
コーディネーターは
小林成基氏(NPO法人自転車活用推進研究会理事長)
とベストメンバーである。
各パネルリストの立場からの貴重なコメントをお聞きすることができた。
さすがにすべて実態に沿ったうなずける内容のコメントばかりであった。
コーディネーターである小林成基氏の
「自転車について社会は無関心であったがやっと無理解のところまできた。あとは理解である。」とのウィットのきいた内容のコメントをされたのが印象的だった。
そのとおりである。

最後に自転車活用推進議員連盟事務局長である自民党参議院議員の岩城光秀氏に片山右京氏より「自転車市民権宣言」署名用紙が手渡された。

各パネリストの方のいろいろなコメントについては引き続きコラムで紹介する。
ただいつもそうだが自転車の路上の位置づけを議論すると必ず話が先へ進まなくなる。
スピードの速いスポーツ自転車はよいとしても、子供を同乗させている自転車に車道を走らせるのはどうか?
どうかというのはつまり危険ではないかということである。
その結果、歩道上をとか車道上に自転車レーンを作って、とか、話が発散しついには停止する。

はっきり言うと、どのような自転車であろうと、法律ではすべて車道である。(老人と子供は例外あり)
車道が危険なのではない。
車道が危険と思わせるクルマのドライバーの運転が問題なのである。
クルマがまるでレールの上を走り自転車をよける機能がないような理解、位置づけである。
そうではない。
クルマは自転車を避けられる。その程度の運動性能を備えている。
では何が避けられないか、それはたとえばクルマの通過する際の風圧とか音とか、それが自転車にとって脅威であったりする。もっと言うと排気ガスもそうだ。
大型トラックと並走するときのあの大きなタイヤの威圧感、振動と騒音。幼児でなくとも恐怖を感じるであろう。

自転車に乗る人たちで集まって議論するべきことは、自転車はどこを走るか?ではなく、自転車の車道上の権利をフツーに守るためにクルマ側にお願いしたいことを明確にすることではないだろうか。
まず自転車優先で安全な距離をあけてもらう、安全な速度で通過してもらう。つまり道交法を守ってもらうこと。当たり前のことである。
そして次にクルマから発する騒音や風圧、排気ガスをコントロールしてもらうこと。
例えばヨーロッパの車の多くのマフラーが車体の左後側に設置されている。これは彼らの土地で歩道側から極力離した位置だと聞いている。

車道上に自転車レーンがあろうがなかろうが、そこを合法的かつ安全に自転車で走るのは、われわれの権利である。
本質は極めてシンプルなのである。

2012年2月12日日曜日

Don't lose it !





















一足早くバレンタインのチョコレートをいただいた。

世の中でなくしてはいけない大切なもの、しあわせの象徴としての「ボタン」
を模したチョコレート。
これまで食べたことのないとても繊細で上品な味。

エクアドルの農園で作られたオーガニック栽培のカカオを使い、
カカオを作ることで幸せになれる「環境」と「夢」のためにフェアトレードにこだわった
チョコレートとのこと。

地球環境と夢
いろいろな世界で実現している人たちがいる。

2012年2月11日土曜日

タイヤが剥げた



















先般、自転車で会社へ移動中、最後の交差点。
そのまま直進しようと車道の左端を走行。
後ろからクルマが弊方の自転車を追い越しそのまま左折しようとした。
よくあるパターンなので速度を落とし危険を避けるのだが、
今回はほとんど交差点にさしかかる地点であったため、巻き込まれないために急ブレーキで避けるしかなかった。
結果、後輪がロック。
タイヤのトレッドの一部が剥げ落ちた。

まだ半分程度しか走行していないタイヤだった。
一定の速度以上で走行中にパンクにつながると怖いので、交換することにした。

今回のパターンの交差点の巻き込みなど、基本中の基本でいつも気をつけて対応しているのに。
今日もそうやって走ってきたのに・・・。

最後で魔がさした。
気をつけていたつもりでも事故を起こすときはこういうプロセスで起きるのだろう。
事故は避けられたわけだし。
コストが痛いがタイヤが身代わりになってくれたと考えよう。



2012年2月10日金曜日

「自転車市民権宣言」大討論会

































「自転車市民権宣言」大討論会が2月13日に開催される。


http://www.bikecology.bpaj.or.jp/information/2011/post_75.html


有識者を、招いたパネルディスカッションが開催されるが、そのメンバーが素晴らしい。
興味のある方はぜひご参加を!



2012年2月9日木曜日

「第四の革命」への第一歩



























今朝の日経新聞のコラムによると、経済産業省の有識者会議において、電力会社のコストを下げると同時に電力事業への新規参入が盛り込まれた。

これは電力業界に競争原理を持ち込むことになる。
「第四の革命」に示されていた道への最初の一歩である。

2012年2月8日水曜日

今年の冬は寒い!

























今年の冬はここ数年と違う。
本当に寒い!
朝の通勤時、気温が0℃になるのだから当たり前だけど。

これまでは自転車で出かけて最初の10~15分を我慢すれば、あとは暑かった。
汗が滴り落ちた。

しかし今年は違う。
しばらく走っていると確かに暑くなり汗もかく。
でも滴り落ちるほどではない。
少しペースを落とすと今度は汗が冷えて寒くなる。
手足の指先はずっと冷たいままだ。

でも子供のときの冬ってこんな感じだった。
手足の指先はいつも冷たく、水たまりには氷がはり、
吐く息は真っ白だった。

つらいけど、少し懐かしい。
いやいやこんな程度でつらいなんて言うと、雪と戦っている地域の人たちに笑われる。

明日も自転車で移動だ。
サスティナルブルな社会の実現をめざして。

2012年2月5日日曜日

電動アシスト自転車の未来




















電動アシスト自転車の増加がさらに勢いをつけている気がする。
最近は通勤時に目にするシティサイクルの感覚的に約半分くらいが電動アシストという勢いだ。

メーカーも走行距離を伸ばしたり、内装の変速機を装備したり、矢継ぎ早に改良を加え、どんどん進化させ新しい仕様を出してくる。
この電動アシスト自転車というジャンル、坂道が多く、移動距離がそれほど長くなく、かつ子供をのせたり買い物で荷物を載せたりという、日本の自転車の使われ方に非常にマッチしていると思う。
確かに自転車の弱点に荷物の運搬、上り坂の克服がある。
ましてこれら両方が重なると非常に厳しい。

この弱点を弱点でなくしてしまう、趣味の自転車とは対極にあるこの究極の実用自転車。
電動アシスト自転車は現在の自転車とは異なる機能をもち、新たなポジションを占める存在となっていくだろう。
それは荷物の運搬や上り坂の克服だけではないもっと大きな機能である。
独自のジャンルを切り開いていくこの自転車の未来は大きい。


2012年2月3日金曜日

自転車に乗る人に必要なもの

自転車に乗る時に考えなければならないことは事故対策である。
どれだけ対策をしていても、相手があって起こるものであり
自分だけで100%防ぐことができない。
そこで必要になるのが

①事故に合わないための対策
②事故にあったときの対策

事故に合わないための対策は道路交通法を知ること。
その道路交通法の背景を知ること。
さらに私がぜひお勧めしたいのが疋田智著「自転車の安全鉄則」
バイブルとして読んでほしい。自転車に乗るときの姿勢が変わる。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4022732474/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&tag=at4582at-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4022732474





もし事故に合ったときの対策として必ず保険に加入すること。
私の経験でいう必須項目

・示談交渉をしてくれること
・対人5000万円以上、できれば無制限
・自転車に乗る家族全員に対応
・自分についての保証は最低限とし、リーズナブルなもの

マンション保険等、個人賠償責任の保険は多くあるが、事故の際の示談交渉をしてくれない。
本人が示談を行うには多大な工数とストレス、そして加害者になった場合の負い目からフェアな高交渉が難しい。ぜひ示談交渉付の商品をお勧めする。
自分の保証、通院や入院については、事故に合わないための対策でリスクを下げられること、仮に事故に遭遇しても対人、対自転車の場合、負担が比較的軽いことを考え、いざというときは自分で賄うと考える。そうでないと保険の掛け金はどんどん高くなる。対自動車の場合は相手の自動車保険でフォローしてもらう。もちろん、自分が道交法を守り過失割合が小さいことが前提だ。

HPでリンクさせていただいているau損保の自転車保険も内容をチェックしてみて欲しい。


2012年2月2日木曜日

サドルとおしり


























久しぶりに自転車に乗ると、サドルの形をおしりで感じることがある。
あれ、こんな形してたっけ?
乗っているとだんだん馴染んできて何も感じなくなる。
翌日乗っても何も感じない。
普段は何も感じないサドルの形。
毎日自転車に乗っているとおしりがサドルに合った形になっているのだと思う。