2015年11月23日月曜日

エゴイスティックなクルマ用語


交通手段の使い分けを正しく認識して利用するとクルマはそのポテンシャルを発揮する。
このとき忘れてはならないクルマが持つ危険性。
しかしそしてそれを隠すかのような言葉。
同時にクルマを中心に考えるエゴイスティックな言葉も。
クルマにまつわる用語をいくつかあげてみたい。

1.(人が)飛び出す
走行しているクルマの前方に、歩行者や自転車が出てくること。事故が起きるのはクルマには非はなく歩行者や自転車が悪いという前提で使用する表現。本来歩行者や自転車より、明らかにクルマの方が「ぶっ飛んでいる」にも関わらず、だ。
ちなみに歩行者や自転車の前方に、クルマがより速いスピードでその進行を妨げる形で出てきても「飛び出す」とは言わない。

2.(クルマを)飛ばす
クルマの前方に出てくる「傷害物」については「飛び出す」という表現でネガティブな行為と判断されるが、クルマ自身が危険な速度で走行することを危険な走行と言わずに「飛ばす」という、極めて軽く肯定的な言葉を使用する。もちろんすべての状況において高い速度を否定するつもりはないが。

3.(人を)撥ねる
危険なクルマで歩行者や自転車に乗る人にクルマを衝突させ大きなダメージを与えることこと。後遺症を残す大きなケガを負わせたり死に至らしめたりするあってはならない行為をこの軽い言葉で表現する。脳に損傷を与えたり内臓や骨に大きなダメージを与えたことをイメージさせない便利な表現である。不注意で他人の人生を狂わす大きなダメージを与えた場合「撥ねてしまった」となる。

4.(保険で)処理する
クルマで人を死に至らせたりケガを負わせた場合、クルマ側がケガをした人に対して、使用する言葉。誠意をもって償うのではなく、「処理する」となる。普段、人が他人にケガを負わせたり、死に至らしめた場合には「処理する」は使わない。

5.(クルマの)の静粛性
これはクルマ自体の静粛性ではなくクルマの車内にいる人にとってのパラメーターのこと。外に対しての騒音、迷惑はこの尺度には入らない。もちろん気にもしていない。

6.(クルマの)衝突安全性
クルマ対クルマの事故の場合の車内に存在する人、つまり乗車している人にとっての安全性のこと。衝突であってもクルマに衝突されケガを負わされる歩行者や自転車に乗る人のダメージは衝突安全性に含まれない。もちろんクルマを購入する際にも気にされることはほとんどない。

以上のわずかな例だけでも、すべてはクルマ中心!である。
同時にクルマの危険性を適切に示しているとはいえない表現ばかりである。

そろそろ認識を変えるべき時がきている。

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