2012年1月17日火曜日

未来に残すもの




















NHKのドキュメントで福島第一原発による放射能の影響を特集していた。
政府は収束宣言をしたけど、
福島原発付近の海底は放射線量が高く大変な状況になっている。
そしてこれが海流にのって離れた場所にも線量の高い場所、ホットスポットを作る。
私たちが口に入れる魚だって安全かどうか監視しなければならない。
そして監視したとしても本当に安全かどうかわからない。

あの事故で関東平野には大量の放射線物質が降り注いだ。
その放射線物質が土壌を汚染し、雨のたびに川に流れ込み、
最終的に東京湾に到達する。

東京湾に流れ込む河川の河口付近にはこの放射性物質が堆積し
ホットスポットを作る。
ここから放射線物質が徐々にしか東京湾に出ていかない。

東京湾にたまった放射線物質が湾外へ出ていくのはさらに時間がかかる。
結局放射線が半減期を迎える30年、ホットスポットと呼ばれる
極めて放射線の高い地域が残ることになる。
しかも水中ではこのホットスポットの位置が変化していく。
このため継続した監視が必要だ。
動いていくホットスポットと移動する魚。
魚が安全かどうか監視するのは困難を極める。

原子力によるエネルギーというのは本当にリスクが大きい。
もはやコストが一番低いという人はいないだろう。
プロですらわからないことだらけで制御不能なこの原子力。

30年間、監視し続けることで、環境の実態を知り生活を守る。
本当に日本はもうダメだと思った原子力発電所の事故。
監視はあの日を忘れ去られることを防ぐ意味も持つ。

ここまでリスクをおかして電気を使うのか。
ムダなエネルギーを極力抑え、行き過ぎたラクを抑える。
この行き過ぎた「ラク」は結局もっと大きな「苦」となって返ってくるのだ。

我々は未来に向け幸せな世界を創り、後世に残していこうとがんばってきたのではないか。
なのに、今のこと、自分のことばかりを優先し、
こんなに汚染されたツケだけを未来に残す。
最低の世代かもしれない。

いや関東平野に放射線物質が降り注いだあの日も
自転車に乗るあなたは環境のためにがんばっていたではないか。
この事故の償いが少しでも進むよう、サスティナブルな世界を後世に残す。
たとえその入り口だけであったとしても。

そのためにクルマでもなく電車でもなく、
寒くても当たり前のように毎日自転車に乗る。
頬にあたるのは高濃度の放射線ではなく、冷たい空気である。
寒いなんて言っていられないのだ。

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