2012年6月14日木曜日

カーボン素材の寿命




















カーボンフレームの自転車が全盛だ。
価格が下がってきたこともあり、ロードバイクはほとんどカーボンフレームが売れているのではないだろうか。
さてこのカーボンという素材、いったいどの程度もつものなのか。
いずれは寿命(強度不足)となる時がくるのか。

この素材、基本的にカーボン繊維を樹脂で一体としたものだ。
全方向に強度が保てるよう、繊維は縦横斜め方向に配置の上積層され、樹脂で一体化される。
軽量であるにもかかわらず強度が高い。

基本的に高い耐久性を持つと考えるが、
カーボン繊維を積層させて樹脂で一体にするという作業を行う以上、
まったく均一に作ることは不可能である。
場合によっては気泡が入ったりすることもあるかもしれない。
いずれにしてもアルミやクロモリのように素材として均一ではない。
さらにカーボン繊維と樹脂では、熱収縮も異なる。
つまり温度変化や走行による外力により接着面に繰り返し応力がかかる。
そしてあるときその繊維と樹脂の接着面が剥離する。
連続面である以上、これがクラックとなり成長し強度を落とす。

フレームにしても、フォークにしてもすべてが強度部品である自転車。
不要なパーツがない自転車において、どこかの強度が失われると一気に危険な状態になる。

非破壊検査をしない限り見た目ではわからないものだけに(これは金属も同様)
ぶつけたり大きな衝撃を加えたり、保管状況であったり、
その経歴を把握しておくことが重要だと思う。

過度の衝撃で一気に破壊した場合は別だが、
小さなクラックから始まる強度低下。
その最後をどう察知し判断するか。

カーボンに限ったことではないが、長い期間付き合っていく間に、
その経歴及び走行感、音も含めてトータルで考え、
違和感を感じたら、疑ってみることが必要だと思う。



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